小学一年生に「は」と「わ」の使い分けを教えたいのですが、良い方法はないでしょうか?
小学生の国語の授業では、「は」と「わ」の使い分け方を学びます。
どちらも「WA(わ)」と読むため、ひらがなを覚えたての子どもにとって、これらの違いを認識するのはなかなか難しいものです。
それに大人の中にも誤った使い方をする人もいます。
ではどうすれば、うまく使い分けられるようにできるのでしょうか?
本記事では、「は」と「わ」を使い分ける法則を”子どもにも分かるように”、例文を添えて解説します!
記事の最後には、「楽しく学べる方法」も書いていますのでお試しください!
目次
「は」と「わ」の使い分け方
そもそも「は」と「わ」の使い分け方は、、昭和61年(1986年)に国が公布した「現代仮名遣い(または新仮名遣い)」によるものです。
簡単に述べると、「いまの言葉」ということになります。
「は」と「わ」の使い分けについて、この現代仮名遣い(昭和61年内閣告示第1号)には次のように記されています。
2 助詞の「は」は,「は」と書く。
例 今日は日曜です 山では雪が降りました
あるいは または もしくは
いずれは さては ついては ではさようなら とはいえ
惜しむらくは 恐らくは 願わくは
これはこれは こんにちは こんばんは
悪天候もものかは
[注意]次のようなものは、この例にあたらないものとする。
いまわの際 すわ一大事
雨も降るわ風も吹くわ 来るわ来るわ きれいだわ
大人は何となく理解できます。でも正直言って、これを見たところで子供にはわかりません。
というわけで、以下で子どもに理解しやすい「は」と「わ」の使い分け方を解説していきます!
子どもにもわかる!「は」と「わ」の使い分け方
まず、「は」と「わ」の使い分けは、子どもにとって"大人が思っているよりもすごく難しい"ということを理解して欲しいです。
「違う!」
「だからそうじゃないって!」
なんて怒らずに。お子さまのペースに合わせて焦らずにいきましょう。
では、子どもにもわかりやすい、「は」と「わ」の違いの解説と、楽しく学べる方法を紹介します。
「は」は、品詞(ひんし)のひとつです
「は」には 、言葉の役割があります。
そもそも言葉というのは、多くの単語(たんご)が連なったものです。
ひとつひとつの単語には意味があり、その単語のはたらきや役割で分けたグループを「品詞」といいます。
品詞は全部で10種類!
- 動詞(どうし)
- 形容詞(けいようし)
- 形容動詞(けいようどうし)
- 名詞(めいし)
- 副詞(ふくし)
- 連体詞(れんたいし)
- 接続詞(せつぞくし)
- 感動詞(かんどうし)
- 助動詞(じょどうし)
- 助詞(じょし)
さて、実際に「は」とは、どのように使うのか見ていきましょう。
【主役を指す「は」の使い方】
ひとつ目は、主役を指す役割の「は」です。
「〜は〇〇です(だ)」と、主語(しゅご)の後ろにくっつきます。
この時の「は」は、助詞(じょし)と呼びます。
- 「ぼくは」サッカーが好きです。(主語「ぼく」の話をしている)
- 「りんごは」赤い。(主語「りんご」の特徴を言っている)
- 「朝は」パンを食べるけど、「夜は」ごはんを食べる。(主語の「朝」と「夜」を比べている)
【ポイント】
お子さまには、『主語はどれかな?』『この(ぼく)は主語になるんだよ』と、コツを掴ませてあげましょう。
【話をつなげる「は」としての使い方】
そして二つ目。言葉の中には、前後の話をつなげる役割をもつ言葉があります。
これを「接続詞(せつぞくし)」と言い、同じ「は」でも言葉の役割は大きく違います。
- で「は」(次の話に進む)
- と「は」いえ(反対の内容を述べる)
- また「は」、あるい「は」(どれか選択する)
【ポイント】
先ほどの「は」と違い、言葉や文と文をつなぐ時に現れます。
「ではやってみよう」
「もう寝る時間とはいえまだ寝たくない」
「バスまたは電車で行くよ」
こんな風に、日常の会話の中にいます。
そして「は」には、漢字が存在しません。
これが「は」の大きな特徴です。
「わ」は、単語の一部や気持ちを表すときに使う
では続いて「わ」について解説していきます。
「わ」をよーくみると、「は」とはぜんぜん違うことがわかりますよ。
【単語の一部としての「わ」の使い方】
まずひとつ目、「わ」は単語の一部として使われます。
「は」も単語の一部に使われていますが、「は(わ)」と発音する場合は単語の一部になりません。
- 「わたし」は小学生です。(「わたし」は1つの言葉)
- 「わに」が川を泳いでいる。(「わに」は動物の名前)
- 「かわいい」犬がいるね。(「かわいい」は形容詞)
【ポイント】
「わたし」「わに」「かわいい」などは、もともと単語の中に「わ」が入っているだけなので、「は」になりません。
お子さまと一緒に文字や単語を見ながら、『これは(わ)だよ』と言葉を覚えていきましょう。
【感情を表す「わ」の使い方の例】
そして2つ目に、「わ」は気持ちを表す時の【終助詞(しゅうじょし)】にも使われます。
言葉の響きが柔らかくなったり、話し手の感情がこもります。
- 「行く」→「行くわ♪」
- 「すごい」→「すごいわ!」
- 「知らん」→「知らんわ!笑」
【ポイント】
「わ」をつけて話すのは、その人の口ぐせでもあります。
喜怒哀楽が強くなるので、気持ちを込めたいときに便利な言葉です。
子どもが楽しく学べる方法
ここで述べたことを伝えても、その違いをお子さまに理解させるには不十分です。
なので、ちょっとゲーム感覚でやってみましょう。
「穴埋め問題」をやってみよう!
「は」と「わ」の違いを身につけるためには、読んで、見て、書いてみることです。
穴埋め問題をすることで、同時にどちらも行うことができます。
そして大事なのは、穴埋め問題をひとりでやらせないこと。
また次のように先にヒントを与えましょう。
「おなまえに入っているときは、『は』「わ」と声に出したまま書くといいよ」
「うしろのお話とくっつくときは、「は」にしてみてね」
「お話のさいごは「わ」できまりだね」
では次の穴埋め問題をやってみましょう!
- 今日は( )れているから、( )たしもお手伝いする。
- ( ) くさい( )、体にいいらしいよ。
- 明日( ) 学校に行く? もしく( ) 家で 勉強する?
- この料理、ふ( )ふ( )しておいしいね。
- いらっしゃい!今日( )、い( )しがおすすめだよ。
- ( )と( )のあいだ( )、きれいにみがこう。
言葉カードを作って遊ぼう!
「は」と「わ」を含む言葉を書いたカードを作って、当てっこゲームをしましょう。
まず、無地のカードを用意します。厚紙をカードのように四角く切ってもいいです。
表に「は」や「わ」のつく言葉を、裏にはその答えの「は」や「わ」を書きます。イラストも入れるともっと楽しくなります。
表:「今日( )」「( )やい」「また( )」→ 裏:「は」
表:「た( )し」「いく( )」「か( )いい」→ 裏:「わ」
このようにしてカードを作ったら、お子さまにカードの表面を見せて、
「これは(は)かな?それとも(わ)かな?」
と聞きます。
どちらか決めたら、「は」のグループと「わ」のグループにカードを分けます。
全部終わったら、「正解〜!」「ブブー!ざんね〜ん。笑」と答え合わせをしてみてください。
このゲームはカードに書くだけ。お家で簡単にできるし、子どもも楽しんでくれるのでオススメです!
連想ゲームをしてみよう!
さいごは、しりとりのような連想ゲームです。
これは主語、くっつきの「は」に限ったゲームですが、子どもはきっと楽しんでくれます。
ルールは、最初に「〇〇は△△(〇〇=△△)」と言ったら、次は「△△は◻︎◻︎(△△=◻︎◻︎)」と言います。これを繰り返していくだけです。
例えば、
ママ:「りんご は 赤い」
子ども:「赤い は しんごう」
ママ:「しんごう は 高い」
子ども:「たかいは、うーん…なーに?笑」
という風に、『〜は〜だ』を交互に言って連想していくゲームです。
子どもの発想力や創造力も養える連想ゲーム、とてもオススメですよ!
まとめ
「は」と「わ」の使い分けは、ひとつの単語なのか、単語にくっつくものなのか、子どもには難しい問題です。
結局のところ、何度も見たり書いたりと、練習を繰り返して覚えるしかないのです。
そのためには、パパやママが優しく見守ってあげることです。
子どもにただドリルをやらせるのではなく、パパとママが一緒になって考えることが、なによりも大事なことではないでしょうか。