概数と四捨五入の違いがイマイチわかりません。
この前テストで出たのですが、違いがわからなく、点数をそこで落としてしまいました。
教科書で見たものの、何が違うのか・・・
これはネット上にあった「概数と四捨五入の違い」に対する書き込みです。
さて、普段あなたは、「だいたい」の数を言い表すことはありませんか?
「確かこの服は5,000円くらいだったかなぁ。」
「あと20分くらいで着くよ。」
実はこれ、「概数(がいすう)」なのです。
そしてこの概数には、その数にする(求める)方法がいくつかあります。
というわけで本記事では、「概数」とその中でもよく使う「四捨五入」の違いについて詳しく解説します。
目次
概数と四捨五入の定義と意味
「概数」と「四捨五入」は、数値を簡略化する際に用いられますが、その意味や方法には違いがあります。
以下はそれぞれの定義と意味です。
概数(がいすう)とは?
「概数」とは、正確な数ではなく、おおよその数を表すものです。
「概」という漢字は訓読みで(おおむね)とも読むので、概数とは読んで字の如くの熟語でもあります。
例えば、小学5年生で習う円周率π(パイ)。
数字に表すと3.14ですが、実際には3.14159265…と100兆桁を超える数字の概数なのです。
【補足】
円周率は長すぎて覚えるのが困難な単位です。
なので、次のような「語呂合わせ」をして暗記します。
「産医師異国に向こう(3.14159265)・産後薬なく産婦みやしろに(3589793238462)・虫さんざん闇に鳴くころにや(6433832795028)・弥生急な色草(841971693)・九九見ないと小屋に置く(993751058209)」
少し話が逸れましたが、このように概数は羅列した数値を簡単にすることにより、
「素早く計算できる!」
「ざっくり理解できる!!」
という大きなメリットがあるのです。
四捨五入(ししゃごにゅう)とは?
一方、「四捨五入」とは、数を特定の位にまとめる方法の一つです。
0から9の中心とする「5」を基準とし、その数を切り上げるか、または切り捨てるかを判断します。
・「四捨(ししゃ)」→4以下(0〜4)は切り捨て
・「五入(ごにゅう)」→5以上(5〜9)は切り上げ
例えば、「12,594」という数字を、四捨五入して百の位までの概数にする場合は「12,600」になります。
でもこれでは、概数と四捨五入の違いがわからないですよね?
以下で詳しく解説します。
概数と四捨五入の違い
「概数」と「四捨五入」は、言ってみればどちらも数を簡単にする方法ですが、意味や使い方には違いがあります。
順を追って説明しましょう。
概数の意味と使い方
- 「おおよその数」である
- 数をざっくりと表すために使う
- 実は、必ずしも決まったルールがあるわけではない
【例】
「今、会場に2,978人いるよ」 → 「約3,000人」と言い換える
「駅まで1,253メートルあるよ」 → 「だいたい1.2km」と表す
【ポイント】
・ルールに厳密ではない(場面に応じて適当な丸め方する)
・「約〇〇」「およそ〇〇」とアバウトな表現をする
四捨五入の意味と使い方
- 決まったルールで数を丸める方法の1つ
- 指定した桁の下一桁が「5以上」なら切り上げ、「4以下」なら切り捨て
【例】
問:四捨五入で百の位まで求めなさい
①345 → 300(4以下なので切り捨て)
②358 → 400(5以上なので切り上げ)
問:四捨五入で小数第2位まで求めなさい
③3.146 → 3.15(5以上なので切り上げ)
④3.143 → 3.14(4以下なので切り捨て)
【ポイント】
・決まったルールがある(5以上は切り上げ、4以下は切り捨て)
・「〇〇の位で」「小数点〇〇まで」と指定する
2つの違いをまとめると?
つまり…
・「概数」は 数をざっくり表すこと(四捨五入だけでなく、切り捨て・切り上げも含む)
・「四捨五入」は 概数を求める方法の1つ
ということです。
では、概数の計算でよく出る「切り上げ」「切り捨て」を踏まえ、それぞれ比較しながら解説していきます。
概数を求める方法
概数を求める際には、以下の3つの方法があります。
「切り捨て」:指定した位より下の桁をすべて0にします。
「切り上げ」:指定した位より下の桁をすべて0にし、その上の位に1を加えます。
「四捨五入」:指定した位の下一桁が0~4の場合は切り捨て、5~9の場合は切り上げを行います。
つまり「切り捨て」と「切り上げ」は、どんな数であれ【切り捨て・切り上げ】という言葉に沿って数字を変えてしまうこと。
一方「四捨五入」は、「0〜9の数字に決められた条件」によって概数にするということになります。
では「切り捨て・切り上げ・四捨五入」の例を見てみましょう。
数値「12,594」を用いて、各方法で概数を求めた場合は次のようになります。
百の位で「切り捨て」:12,594 → 12,500
百の位で「切り上げ」:12,594 → 12,600
百の位で「四捨五入」:12,594 → 12,600
いかがでしょうか?
数字と合わせてみてみると、なんとなくイメージがついたと思います。
では今度は練習問題にチャレンジしてみましょう!
概数の練習問題と解説
以下は、概数に関する問題です。
できたら最後に答え合わせをしてみてくださいね!
【問題1】
数値「96,540」を千の位までの概数にしなさい。
①四捨五入の場合
②切り捨ての場合
③切り上げの場合
【問題2】
数値「27.4814」を小数第2位までの概数にしなさい。
①四捨五入の場合
②切り捨ての場合
③切り上げの場合
まとめ
「概数」はおおよその数値を表すものであり、その求め方として「切り捨て」「切り上げ」「四捨五入」の3つの方法があります。
つまり「四捨五入」とは、概数を求めるひとつの方法である、ということです。
問題には必ず、「上から〇桁」「下から〇桁」「少数第2位(1/100の位)」というように条件が書かれています。
ここを理解することで、概数の問題をサクッと答えられるようになりますよ!
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