上の漢字が下の漢字を修飾する関係にある組み合わせって何?
これは「二字熟語」に関するよくある疑問のひとつです。
小学校で熟語について学んでいると、このように複雑な出題内容に困惑し、たとえ熟語の意味を理解していても、どう答えていいのかわからない時があります。
まさに、日本語の難しいところです。
そこで本記事では、上の漢字が下の漢字を修飾する関係にある組み合わせを踏まえ、
二字熟語の意味と主な構成について詳しく解説します。
さいごに練習問題も用意してますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
「上の漢字が下の漢字を修飾する」とは?
二字熟語の中にある「上の漢字が下の漢字を修飾する」ものがわからない原因を調べてみました。
すると、これらの悩みの多くは、「漢字の意味はわかるけど、熟語の構成を答えられない」ことがわかりました。
というのも、二字熟語には決まった構成があり、その種類の多さと表現の複雑さから、スラっと答えるのが難しい。
特に、
- 上の字が下の字を修飾するもの
- 下の字が上の字の目的語や補語になるもの
- 上の字が主語、下の字が述語の関係にあるもの
これら3つの判別がしにくく、理解するのは容易ではないのです。
なので、この3つの違いに重点を置き、二時熟語の構成について述べていきます。
「二字熟語」とは?
小学生の国語では二字熟語(にじじゅくご)を習います。
この二字熟語というのは、2つの漢字が連なることで、1つの語として意味を持つ漢字のことです。
そして二字熟語には基本的な組み合わせが決まっており、主に次の構成で成り立っています。
二字熟語の主な構成
- 似た意味の漢字を組み合わせたもの
- 反対の意味の漢字を組み合わせたもの
- 上の字が下の字を修飾するもの
- 下の字が上の字の目的語や補語になるもの
- 上の字が主語、下の字が述語の関係にあるもの
- 打ち消しの漢字がつくもの
小学生では単に二字熟語を覚えるのではなく、これらの構成を理解する必要があります。
というのも、「この中の〇〇(構成)に値する二字熟語を答えなさい」といった問題が出るからなのです。
では、「上の漢字が下の漢字を修飾する」二字熟語も踏まえ、それぞれ例を加えて解説していきます。
二字熟語の構成と熟語例
では、先に述べた二字熟語の構成と熟語例を解説していきます。
二字熟語がどの構成に当てはまるのかを見分けるには、漢字一文字の意味の理解と、音読み訓読みで読んでみること。
ここを押さえておけば答えを導きやすくなります。
以下、二字熟語の構成と該当する熟語です。
①似た意味の漢字を組み合わせたもの
例:岩石(がんせき)
「岩と石」
- どちらも似た意味を持っている。
- 文字の間に「〇と△」「〇や△」「〇か△」を入れるとわかりやすい。
【ポイント】
「ほぼ同じだ!」と思ったらコレです!
②反対の意味の漢字を組み合わせたもの
例:上下(じょうげ)
「上と下」
- 反対・逆の意味を持っている。
- ①同様、「〇と△」「〇や△」「〇か△」を入れるとわかりやすい。
【ポイント】
「反対!」「逆だ!」という時はコレです!
③上の字が下の字を修飾するもの
例:親友(しんゆう)
「親しい友だち」
- 上の字が下の字を説明している。
- 上から下へ「〇の△」「〇な△」「〇に△」と読むとわかりやすい。
- 「〇の△」「〇な△」の「△」は名詞、「〇に△」の「△」は動詞であることが多い。
【ポイント】
上の字のあとに「〜の、〜な、〜に」を入れてみて!
④下の字が上の字の目的語や補語になるもの
例:読書(どくしょ)
「本を読むこと」
- 上の字が動作を表し、下の字が目的語や補語になっている。
- 「〇を△する」「〇に△する」というように、下から上に返して読むと意味が通じる。
【ポイント】
下の字のあとに「〜を、〜に」を入れてみて!
⑤前の字が主語、後の字が述語の関係にあるもの
例:「市立」
「市が設立した」
- 前の字が主語、後の字が述語の関係になっている。
- 「〇が△する」「〇は△である」と読むと意味が通じる。
【ポイント】
「上から〜は、〜です」と読んでみて!
⑥打ち消しの漢字がつくもの
例:不明(ふめい)
「明らかでないこと」
- 上の漢字「不」が下の漢字「明」を打ち消している
- 「△でない」「△がない」「△をしない」と読むとわかりやすい。
【ポイント】
全て「〜ない!」だよ!
このように熟語と合わせてみると、二字熟語が①〜⑥のどれに当てはまるのかが分かります。
「上の漢字が下の漢字を修飾する」熟語の見分け方
そして熟語の構成の中で、間違えやすいのは次の3つです。
③上の字が下の字を修飾するもの
POINT:上の字のあとに「〜の、〜な、〜に」を入れる
④下の字が上の字の目的語や補語になるもの
POINT:下の字のあとに「〜を、〜に」を入れる
⑤上の字が主語、下の字が述語の関係にあるもの
POINT:「上から〜は、〜です」と読む
それぞれのポイントを活かし、次のようにして当てはめてみてください。
1.「読書」
〇:書(本)を読む
×:読むな書、読むは書です
→答えは④
2.「駅前」
〇:駅の前
×:前に駅、駅は前です
→答えは③
3.「日没」
〇:日が没む(しずむ)
×:没むに日、日に没む
→答えは⑤
ひとつずつ当てはめていくと、きっと「あれ?おかしいな」と思う組み合わせが出てきます。
ちなみに、もしも手元に漢字辞典があるようでしたら、知りたい二時熟語を索引すれば簡単に解けますよ。
では、続いて問題を解いてみましょう。
二字熟語の問題と解説
次の問題は、二字熟語が①〜⑥のどれに当てはまるかというものです。
回答には解説を添えていますので、埋めたら答え合わせをしてみてください。
【問題】
次の組み立てに合う熟語を二つずつ選んで( )に書きましょう。
「高低」「不足」「昼夜」「読書」「新年」
「軽重」「視聴」「無効」「解答」「強風」
①意味が対になる漢字の組み合わせ。
( )、( )
②似た意味の漢字の組み合わせ。
( )、( )
③上の漢字が下の漢字を修飾する関係にある組み合わせ。
( )、( )
④「ーを」「ーに」に当たる意味の漢字が下にくる組み合わせ。
( )、( )
⑤上の漢字が下の漢字の意味を打ち消している組み合わせ。
( )、( )
まとめ
以上の通り、二字熟語とは漢字二文字がくっついて、一語としての単語・意味をなすものです。
熟語の組み立てを見分けるには、「この漢字はなんだろう?」と、熟語の意味を考えて読み上げてみましょう。
そうすることで、二文字の関係性や組み合わせの理由を理解できるはずです。
二字熟語をマスターしたら、三字熟語、四字熟語へと発展していきましょう!